盛美園は、清藤家24代当主盛美の手により、明治35年着工し、9年の歳月を掛けて完成されました。
大石武学流といって、青森津軽地方にしかない流派でこの庭園は造られています。
庭園の様式は、枯山水池泉回遊式。枯木、水泉、枯滝を歩きながら自由に見て回ることができます。
広さ12,000㎡の庭園には、約1,300本、約80種類の樹木が植えられています。
では、さっそく庭園を歩いてみましょう。
平べったい石が敷かれています。それは「礼拝(らいはい)石」と言って、海と山の恵みを供えて拝むための石となっています。
礼拝石からの飛び石が、V字形に並んでいるのが、この特長と言えます。
次に、東屋の建つ山を「真(しん)の築山」。盛美神社がある山を「行(ぎょう)の築山」。
そして、鳥居と大きな石灯籠のある庭を「草(そう)の平庭」と呼びます。これらは、「真」「行」「草」と、書道や華道、茶道に通じる日本の美意識を表現するものです。
枯滝の奥に見える「遠山の石」には、25体の菩薩様が宿り、神社の刈り込みの場所には、三尊仏が祀られています。この庭には、仏教思想が表現されています。
そして、四阿と呼ばれる東屋は中国の建物様式であり、宝来松とともに、中国思想を表現するものとなっています。
このように、神社の古神道と仏教との神仏習合に中国思想が混じった、まさに珍しい様式美を備えているのが、この盛美園の特長なのですね。